オタク即売会に初めて行って裁かれた(気分になった)話

 どうも、ぱんこまみれです。お久しぶりです。ブログ更新しないうちに令和になりました。

まずは近況ですが、四月から地元で就職が何とか決まりました。そこそこゆるりとできそうな職場なのでとりあえず安心しています。

 

 さて、皆さんは10連休いかがお過ごしでしたか?僕は何っっんにも計画を立てずにとりえず友人のもとを訪ねる旅行をしてました。

 

 そして、そんなGW真ん中の5/3のことです。ネカフェと友人の家を転々としていた僕は高校の同級生のオタクの家に泊めてもらった。朝七時ぐらいに目が覚めていつものようにタイムラインをパトロールしていると「成宮由愛ちゃん(アイドルマスターシンデレラガールズのキャラクター。かわいい。)のオンリーイベントがある」という情報をキャッチした。どうやらMyBestFriendsというデカいアイドルマスター全般の同人即売会があって、その中で由愛ちゃんのものだけを扱った一角が企画されてるらしい。ということだった。

 同人即売会自体今まで行ったこともなく、一応興味もあったのでこれはいい機会だと思い「おい、オタク、即売会行くぞ(原文ママ)」とオタクをたたき起こして川崎から浅草まで電車で意気揚々と乗り込んだ。

 さすがGW、すごい人、人、人。浅草はやはり人気スポットなので普段カメムシと人が同数みたいな土地で暮らしてる僕にはかなり驚きでした。会場までもうすぐだ、となった瞬間に明らかに前からオタクである集団とすれ違うようになりました。こいつらも、オタクか。。。ついに近づいてきたんだなと思うと少し緊張してるような感覚になりました。そしてついた会場の六階、そこが会場でした。エレベータの扉が開く。瞬間。

 

あっっっっつぅ!!!!

 

 めちゃくちゃな熱気でした。オタクとオタクがひしめき合い、机にはあらゆる同人誌や同人グッズが並び、これが即売会か………と圧倒されました。200円を払って18歳以上であることを証明するオレンジのリストバンドを貰い、せめてものオタクアピールとしてつけていた輝夜月のラバーバンドと一緒につけました。パッと見まわしてもツイッターで見たことある人やリツイートで流れてる人のブースもあり、すげえなぁと思って圧倒されました。そして目的である由愛ちゃんオンリーの一角へ。

 すげぇなぁ、、、本当に由愛ちゃんだけの一角なんだなあと改めて実感。この人たちも俺と同じ由愛ちゃんの"魔法”にかかってしまったんだなと思ったのは今考えたポエム。あとで恥ずかしくなるやつ。

 一角を歩いてると「どうぞー!無料配布です!受け取ってください!」と声をかけられる。由愛ちゃん関連の冊子の無料配布だ。身を切って俺たちオタクに自分の由愛ちゃん感を伝えようとしている。なんだ、いい人じゃないか。現代の牧師か?そう思った。

さあ、ぱんこまみれ一歩前へ出て受け取るんだ。

 

だが、足が動かなかった。

 

 どうして?欲しいに決まっている。今日は由愛ちゃんのためにわざわざ浅草まで来たというのに。固まってしまった。足が動かない。いや動くのだがブースの方向に体が向かない。ブースが並ぶ通路を抜け、壁際の休憩スペースまで体が向かっていく。そして一角を抜け同行のオタクに僕は口を開いて「恥ずかしい」と一言言った。「はぁ?」オタクは言う。当然そうだ今日は僕からオタクを誘ったわけだし、本を買ったり冊子を貰うことのどこが恥ずかしいのか。当然だ。しかしその時は「恥ずかしい」という感情でいっぱいだった。恥ずかしい、恥ずかしい、この場にいるのが恥ずかしい。気温も相まって汗が止まらなかった。でもこのまま帰るわけには行けない。

 僕はとりあえずフォロワーのブースへ行くことにした。一回も会話をしたことはない。でも由愛ちゃんが好きなのは知ってる。そんな関係。早速ブースへ。精一杯の勇気を振り絞って「新刊下さい」消えそうな声を振り絞ってそう言った。あまりの即決だったからか「本当ですか!?ありがとうございます!」と対応をいただく。「いつもツイッター見てます。頑張ってください!」の一言が出てこない。せめてもののひきつった笑顔で買ったものを受け取る僕。やり取りが終わる。逃げるようにブースを離れてしまった。

 目当てのエロい本を買ってきたオタクと合流したがその間ずっと「恥ずかしかった、緊張した。」しか言ってなかった記憶がある。緊張は抜けないままツイッターでフォローしてる有名な先生のブースにも行った。恥ずかしかったのでオタクについてきてもらった。おお、これがあの有名な…と圧倒。折り畳みテーブル一個分のブースがとても大きく見えた。出身が同じこともあり、「頑張ってください!今日は岩手から来ました!」と頭の中でシュミレーション。いける。今度はいけるぞ。ぱんこまみれ。その瞬間「こちら今回の新刊です~どうぞ手に取ってみてください~」と声をかけられる。何でもない行為。だが、僕にはシュミレーションにない異常事態として認識されてしまった。声は「アッ…」しか出ず。おそるおそるブースに近づく僕。誰でもいいから助けてほしかった。早くこの空間から抜け出したい僕はなぜか新刊の山の中ほどから五冊抜き出してしまう。意味不明になってしまい手に五冊持ちながら「一冊下さい」と言う訳の分からない人になってしまった。も~~~~~恥ずかしい。先生もちょっとびっくりした顔になってた(気のせい?)し。あまりにも緊張してるからオタクに「どうした?」って言われちゃうし。どうしちゃったのよ僕~~~

 それからはふらふらと会場全体を何周かした。何も目に入ってこない。売っているのはわかる。あっ、見たことある絵の人がもわかる。でもなぜか緊張感と恐怖と恥ずかしさでしっかりとブースを見ることができない。今まで感じたことがない感情に恐ろしくなった。

 会場にはオリジナルのボードゲームを扱っているところもあり、ボードゲーム好きな僕は好きなボードゲームなら大丈夫だろう。と考えブースへ。「これの説明お願いできますか。」よかった言えた。なんで緊張してたんだろうと思い。説明へ。「いいですよ!」と快く説明を受けた。説明は順調に進む。

 

 何かがおかしい。今日一番の汗が体中からあふれ出てくる。動機が止まらなくなる。緊張を超えて僕は裁かれてる気分になった。終わらない裁判の加害者として大衆の目の前に立たされている気分だ。なんでこんな感情になるのだろう。説明もそっちのけでお昼ごはんのことを考えていた。早くこの場から逃げ出したかった。僕はただ「ください」しか言葉を発することのできない機械になってしまった。

 ブースを離れ僕は考えた。何も思いつかない僕はモヤっとした気持ちのままヤケクソでえっちな同人誌を買った。少し落ち着いた。なんだ買えるじゃんか。

 

 時間も時間であったので会場から抜け出し昼ごはんへ。激込みの浅草はどこも人でいっぱいだった。たまたま入れたカレーの店で昼食。僕は石焼きカレーを注文。お店の外国人ぽい店員さんから石焼カレーは結構跳ねますみたいな説明をされたが頭に入ってこなかった。僕が変な顔をしてたからか日本語が通じないと勘違いされ、英語で説明されてしまった。ごめんなさい。こっちは同人誌買うのに緊張してただけなのに気を使わせてしまった。石焼きカレーはうまかった。でも五月なのにクソほど暑い(26°とかあった)日にわざわざ食うか?とボコボコと煮え立つカレーを見ながら思った。

 会話の中で同行のオタクから「オタクやん」といわれる。定型的に「や、オタクじゃないから」と返す。同行のオタクからは「オタクじゃないなら即売会こないやろw」といわれてしまった。その通りである。僕はオタクであるから今回由愛ちゃんの本を求めてきたのだ。それなのに僕は「オタクじゃないから」とカッコつけている。自分がオタクということを認めていない。そう気づいた。

 僕は今までオタクライブだったりオタクイベントにはほとんど興味がなかった。そして好きなもののコミュニティにも属そうと思ったことがほとんどない。マストドンアイドルマスターインスタンスアイドルマスターのことが主に話されているSNS)にも入っているが、アイコンは一人だけアイカツだし、ほとんどとりとめのないことしか発言していない。僕は自分がオタクだということを今まで隠してきた。その事実から逃げていた。だから人前でアニメを見てるだとか、ゲームが好きだとか、アイドルマスターの○○が好きだ見たいな話を大ぴらにしたことがない。話そうと思わなかった。オタクだと揶揄されるのが怖かった。万が一そのような話になっても「や、オタクじゃないから」と茶化して逃げてきた。

 しかし、即売会という否が応でもオタクが晒される場に立って、自分がオタクという事実に耐えられなかった。ライブで盛り上がるオタク、学内で大きな声でアニメやゲームの話をするオタク。僕はそれらを心の中でどこか軽蔑していた。そうすることで僕はオタクじゃないという身勝手な正当化が行われ。僕は安心していた。そうやって今まで23年間生きてきた。多分、素直に自分のオタクをさらけ出すことのできる人がうらやましかったのだろう。中学の休み時間にカービィグルメレースを音楽室のピアノで練習していたこと、美術の時間にニコニコ組曲を歌っていたこと。オタクを晒すということは一度は通ってきた道だったのに勝手にオタクを卒業したと勘違いして、いつの間にか自分の中でそれを悪としてしまった。

 即売会で裁かれているような気持ちを感じたのは自分がオタクという事実から逃げて茶化していたという罪が即売会の場で清算されたからだった。

 僕は石焼きカレーを食べ終えると会場へ戻った。本当は戻りたくなかったのだが、友人に頼まれた本を買うため、そして今度は由愛ちゃん無料配布の冊子を受け取るんだと。会場に戻り頼まれた本を買い、由愛ちゃんオンリーの区画へ。無料冊子を貰おうとするとそこには「配布終了しました」の文字が。まじか、、、、、、、周りを見渡すとちらほら片づけをしているところもあった。

 これがオタクから逃げてきた罰だというのか…顔に出さず残っていたえちちな同人誌を購入。なかば自棄だった。即売会に参加した証が欲しかった。キーホルダーもクリアファイルもなくなったと聞くと欲しくなった。仕方ない、僕はオタクが晒される場所でもオタクであることを拒んだのだから。

 オタクと別れ、就職の挨拶するため関東にいるじいちゃんの家へ。夜は駅の立ち食い寿司をわずかに買った由愛ちゃんの同人誌とえっちな同人誌をカバンに入れたまま食った。そのまま逃げるように新幹線に乗り帰宅。早く家の布団で眠りたかった。

 

 そして今、ブログを書いているが、いまだに自分がオタクという事実を受け止めているのかはわからない。わからないが買ってよかったとは思っている。とりあえずそう思えている。今後自分のオタクが晒されるイベントやライブに参加するかはまだわからない。でもその時は自分に素直になろうと思う。オタクならオタクになりきることが100%楽しむということなのではないだろうか。でもまだ僕はカッコつけている。本当だったらブログタイトルは「由愛ちゃんの魔法でひねくれオタクが少し素直になった話」ぐらいつけたいものである。オタク、素直に生きよう。由愛ちゃんかわいい。それでいい。オチがない。困ったね。あとで読んだらこんな記事恥ずかしくてしゃーないけど俺の感じたことは忘れたくないかなと今は思う。由愛ちゃんかわいい。